Googleマップもゼンリン地図には勝てない?ゼンリン地図の秘密

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「日本の地図を全てゼンリン基盤へ」ゼンリンの本気度

地図製作業界最大手、ゼンリン、最近ではメディアでも大きく取り上げられることもあり、名前だけは知っている方も多いのではないかと思います。地図製作会社というと、非常に地味なイメージを持つかもしれませんが、ゼンリンの2019年3月期の決算は売上高が約637億円と過去最高を記録。日本の地図業界で、首位を独走しています。何気なく使っているナビやアプリにも、かなりの確率でゼンリンの地図情報が活かされているのです。ゼンリンは2015年の中長期経営計画で2020年までに「日本の地図を全てゼンリン基盤へ」という大胆なビジョンを掲げました。地図業界首位の座を不動のものにしたゼンリン地図の秘密に迫ります。

とはいえ地図を作っているのは国土地理院では?

日本で地図を製作する代表的機関は、国土交通省が所管する国土地理院というのは、皆さんご存じではないかと思います。国の公式の地図ですから、国の公の機関が測量し、正確な地図を作成するのは当然です。とはいえ、この国土地理院が作成する地図は、「地形図」と呼ばれるものです。つまり、その土地の起伏や、土地利用をとらえるために地図であり、地図の大元となるデータです。最も縮尺が小さくても2万5千分の1の2種類のみであり、市街地の建物や住宅、一戸一戸の情報までは網羅されていません。

地形図は一般図である

地図には様々な種類のものがあります。しかしながら、我々が漠然とイメージしている地図、すなわち、山地や山脈、平野、河川など地形、それに道路・鉄道などが全体的に網羅されているものではないでしょうか。これは厳密には一般図と呼ばれるもので、地形図はこれに当たります。学校で配られる地図帳に載っている地図もこれにあたります。普段の生活からすると、あまりなじみのないものであり、地図学習が敬遠される要因でもあるのではないかと感じますつまり、厳密に言うと、国土地理院はこのような一般図を製作する国を代表する機関ということになります。

では、ゼンリン地図とは一体何なのか

地上の様々な情報を網羅している一般図に対し、特定の主題(テーマ)に関する詳しい情報のみを盛り込んだ地図は主題図と呼びます。例えば植生や気候区分、人口や経済などの統計データなど示した地図です。天気図や鉄道の路線図もこれにあたります。これらは、主に国土地理院が発行する地形図を二次利用する形で、地形図にはない情報を付け加えて作ったものです。企業や研究機関、行政法人などが製作しています。

ゼンリンホームページによると、一部の製品の作成にあたり、国土地理院の測量結果を承諾のもと使用していると記載されています。つまり、ゼンリンは道路や住宅、店舗情報に特化した主題図を作成し、販売、データ化し商材としているのです。

ゼンリンオリジナルの情報の強み

メディアでも度々取り上げられている「ゼンリン調査員」。ゼンリン地図の住宅情報、店舗情報などは、定期的な調査員の調査をもとに書き加えられています。創業以来、ゼンリンでは目視を地図づくりの基本としています。全国津々浦々を歩き、住宅やビルのその一つ一つ、店舗の営業時間や段差の有無、道路地図からではわからない歩行者専用の通路や、地下道、駅構内に至るまで、全てを調べつくしています。

衛星写真や、車両からの全方位撮影では決して賄いきれない情報がゼンリン地図には入っているのです。ゼンリン地図は、私たちの生活に欠かせないデータを集めた主題図なのです

みんなが気になるゼンリンとGoogle Mapの関係

さて、国土地理院とゼンリンの関係の他に気になるのは、Google Mapとゼンリンの関係です。全世界で展開しているGoogle Mapですが、地球上全ての情報をGoogle一社で調査することは難しいですし、特に衛星写真や車のGPS情報からではわからない、詳細な都心部のデータの取得は不可能です。ですから、Googleは日本の地図データをゼンリンから買っているのです。Google mapを開くと、下の方にZENRINというロゴが表示されていたことからも、わかります。

Googleとの契約解消は本当か?

しかし、2019年3月に地図が正しく表示されないという不具合が発生しました。一部の道路やバス停が消えたりしたのです。同時に、ZENRINのロゴが消えたのです。ゼンリンとGoogleの契約が解消されたのではないかなど、様々な憶測が流れ、ゼンリン株が下落するという事態になりました。しかし、その後の報道によれば契約自体は解消していないようです。しかしながら、ZENRINロゴは消えたままであり、データの提供を一部コンテンツに限ったなどというのは有りうるのかもしれません。

現在、地図の不具合は解消しているものの、実際とは異なる道路を表示するというのは、自動車のGPSを追跡した結果を地図にそのまま反映しているのかもしれません。確かにコストをかけず、地図を作製することが可能なのですが、正確性には欠けるのです。

知らず知らずのうちに使っているゼンリン地図

ゼンリン地図はGooge Map以外にも様々なところで活用されています。

現代生活に欠かせないナビアプリも、多くがゼンリンの地図データでよって成り立っています。自社商品の「いつもNAVI」は、ドコモ端末用の「ドコモ地図ナビ powered by いつもNAVI」としても展開されている他、AUスマートパスで提供されている「NAVI TIME」にもゼンリン地図が使用されています。ヤフー地図、マピオン、goo地図なども、元のデータはゼンリン地図なのです。

衛星データによる地図作成の限界

Google Mapの話ではありませんが、かつて「パチンコガンダム駅」が地図上に出現したことを覚えている方も多いのではないでしょうか。

2012年、Apple社がリリースしたiOS純正の地図アプリの精度の低さが話題に上がりました。「羽田空港が大王製紙に」、「東急溝の口駅が餃子の王将駅」、「大阪国際空港が阪神水道企業団」になるなど、日本人が作っていたら、おおよそあり得ないような事態が発生しました。

従来Googleマップをベースにしていたものを、Apple製のオリジナルのものに更新したことが原因と言われていますが、公共交通機関に類する情報の誤植が圧倒的に高く、近隣にある施設を勝手に駅として認識してしまったりしているようです。

公共交通に弱いのはGoogle Mapも同じで、車社会のアメリカ企業のシステムで自動的に地図を生成していることが原因ではないかと私は考えています。

ゼンリン地図に敵うものはなし

スマートフォンに元々入っている、AppleやGoogleの無料ナビアプリは正直日本人の満足のいくものではありません。駅などの公共のもの以外にも、店の位置や電話番号も間違っていることがかなり多いと感じます。同じ店が近隣に2店舗あったりすることもあります。これらは、ユーザーの口コミ情報で勝手に地図上に施設が登録されてしまうからです。また、ユーザーが登録しないマイナーな場所はそもそも地図に現れません。

日本でGoogleを使っていると、ゼンリンのデータを使用していることから、そこまで不便を感じることはないかもしれませんが、私のようにほとんど海外に出ている者にとって、Google Mapのあまりのいい加減さには閉口します。電車やバスの時刻はほぼ間違っていると言っても差し支えありません。日本の有料ナビなら、何号車に乗って、どの階段を上ればいいか、雨に濡れないルートはどこか、ここまで案内してくれます。これもまた、ゼンリンの目視による調査の賜物なのです。

まとめ

多くの日本人にとって、もはやスマートフォンのナビアプリは無くてはならない存在です。そして車に乗ればカーナビです。しかし、これらにゼンリンの地図情報がふんだんに盛り込まれていることは意外に知られていないのかもしれません。ただ、知らず知らずのうちに利用しているのです「日本の地図を全てゼンリン基盤へ」というビジョンはおよそ達成されているといっても過言ではないでしょう。そして今後はこの地図データを、どのような場面に応用するかというステップに突入しています。自動車の自動運転、MaaS、ドローンの飛行技術・・・と、ゼンリン地図が果たすべくフィールドはさらに広まっているのです。

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